しらせ いくつか
台北の出版社、玉山社さんから阿古智子さんの『香港 あなたはどこへ向かうのか』の中国語繁体字版が刊行されたのは2021年。そして、今年8月、玉山社さんとをつなぐエージェントの内容力有限公司(Power of Content)の李潔さんから「おしらせ」があった。「近年、台湾でも電子書籍の形式がますます人気を集めています」・・・なので、と話はどんどんすすみ、10月末にはもう、サイトに電子書籍がしあがっていた。台湾最大の電子書籍プラットフォーム「Readmoo 読墨電子書」のリンクはこちら。
この「Readmoo」サイトには、「今月の店長」というコーナーがある(^^)。今月=2023年11月の店長は鄭清鴻(前衛出版社の現・編集長)さん。このコーナーでお約束らしい3つの質問「なぜ出版業界に?」「なぜ編集者に?」「編集仕事は好き?」に、編集10年目の鄭さんはこう答えていた。(中文繁体尾→日本語のgoogle翻訳に、すこし手を入れました)
「出版界がますます困難な時代、資本主義の監視ネットワークのなかで閉塞し分断された知の状況を打ち破るなら、出版者は「読書」がもはや、知識の注入や培養という受動的なものではないと信じるべきです。出版には、著者・編集者・読者とが、どのような世界を構築するかを選択し、構築する能力をもたらす、その力があると私は信じたいのです。」
すばらしい。
さて、『香港 あなたはどこへ向かうのか』。
この本がとらえた、香港の状況は、つぎつぎに目に入る戦争や悲惨に埋もれて報道もだいぶ減ったけれど、厖大な嵩の「世界の悲惨」のなかで、香港も、香港につながる人びとも、思いを巡らし日々を新たにしていることを思う。つい先日の報道、香港からの「しらせ」は、たんたんとした事実で、その事実はひどいものだった。
「日本留学中に独立支持の投稿 香港の大学生 実刑判決 (NHK NES WEB )
では、その「しらせ」を受け取ったあと、どのような世界を望み構築していくのか。この「しらせ」は、そういう試みの発端にすべきものとして、目をこらしていたい。この判決報道に先だつ10月下旬にさかのぼり、阿古智子さんがYahooニュースで丁寧に経緯を伝えていたリンクも、こちらに貼っておく。
「日本留学中のソーシャルメディア投稿で扇動罪か―注目される香港出身女子大学生の裁判、判決は11月3日に」(Yahooニュース、10/28 2:57公開、11/6 16:25 検索)
ひとつひとつ、つなぐし、むすぶ。「こちら」も「こちらの世界」を、構築してゆくために。