ジグ日記 | 出版舎ジグ

積み残し宿題群の断片

2018年12月12日を創業日の日付にして登記書類をつくっていた昨年の今ごろ、創業相談やら創業融資の面談やらで、三軒茶屋や赤坂や渋谷をいったりきたりし、編集者らしい(企画で頭がいっぱいというような)モードはまるでなかった。一方で、十数回目、くらいの目次構成の練り直しがまだ終わらず、字数やページ設定を一から悩んで、これで本当に一歩が踏みだせるのかと心許ない限りだった。

それから1年。せっかくだから、編集者らしく、このタイミングで、出版仕事を(改めてわざわざ)始めた初心を振り返ろう、滞っているジグ日記のネタにもなるし… と手元にある自分的な積み残し宿題資料群を見ているうちに、脳内が大変なことになってしまった。繋げたいものが、まだうまく繋がらない。眺めれば眺めるほど、絡まって見えてきてまとまらない。

まとまらないままに、踏み出してみてもよいかもしれない「個人的な積み残し」を、業務日記と並行して今後はここで書いていこうと思う。たとえば…

段ボールの奥から発掘した「1985年のグリーナムコモン滞在日記」

1973年に父が沖永良部島から私と母に宛てて書いた絵はがき

同じく遺品整理で発掘。父の父が戦地で自決する、その出兵前の閲兵式の写真(1942年11月)

 

などなど。なぜか手元に残ったもの、個人ではとても手に負えそうもないものもある。でもこんなものは一端だ。個人に繋がる縁の束としての歴史から、その背景と前景の世界へ繋がれるべきものは山ほどある。どこまで普遍的で刹那的で、どこまで共有できるか・すべきか。言葉で残すもの・残せないもの、さらに汲み上げられるのを待つもの。そこにある謎や驚き、それらを鍵として初めて読みとくことが可能になる奥行きや広がり。自分自身すら謎であり鍵であるような営み、読むことと書くこと。

その手探りが生きることだ、と言ってみる。そのように人と繋がりたい、と言ってみる。
そういうささやかな本を作りたいと願う。2年目に向けての追加マニフェストとして。

 

1959年に父が母におくったクリスマスカードは、古くさいデザインに加えて色あせて、なかなかいい味になっていました。みなさまも、よいクリスマスを。

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