よろこびをたがやす - ともに、ろうを生きる、ながいながい物語 -
その2 「さんさん山城」ってどんな場所?
毎回100人を優に超える「土曜市」に集まるたくさんの人々の多くは、『さんさん山城』の利用者・職員の家族や友人、手話サークルや手話通訳のメンバーなど、ろう者とその関係者であった。
このことはすなわち、『さんさん山城』という活動の場を中心に、それだけの関係性が広がっていることを表していた。決して一朝一夕で築くことができるものではない。
「土曜市」終了後、毎回の帰りのミーティングでのこと。
活動がはじまった当初から長年に渡り活動を牽引してきた管理者の藤永さんが、手話と日本語の両方で、毎回のように『さんさん山城』の全員に向けて送るメッセージがある。
〈 「今日もたくさんの方たちに来ていただきました。
それはみなさんがこれまでずっと頑張って活動してきたことの成果やと思います。
本当にお疲れさまでした。」 〉
この言葉は、これまでの活動の長い歴史において積み重ねられてきた関係性の上にこそ、『さんさん山城』があるということを、意味しているように思われた。
「土曜市」は、ろう者をはじめとするマイノリティから広がる、人と人とのたしかなつながりがあるということを、誰も排除されることのない空間であるということを、その賑わいで物語っていた。
気付けばぼくは、すっかり『さんさん山城』の虜になってしまっていたのだった。
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筆者の「だから、ぼくは問い続けたいと思った」もご参照。
「さんさん山城」でのフィールドワーク経験について言及しています。
―つづく―


