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どら猫マリーのDV回想録 その12-1

ベビーシッターさんのこと Ⅰ

「いやー、ほこりがスゴイ。」

今日の断捨離は、2階の4畳半の納戸と決めて、どこで見つけて来たのか本物の豆絞りを頭や首に巻いて作業する、令和に生きる昭和な父。今、父が触れているのは祖母の在宅介護が始まったときに取り付けた手すりだ。
犬や猫のシールで飾り付けられているが、それはエリーの作品。
2歳当時の彼女の目の高さだ。

見つからない数冊は、きっと、あの人のところにある。

あの人、と表現するには訳があって、私は名前を忘れてしまった。

声も顔も覚えているのに名前が思い出せない。
私はその人を韓国語で「先生」と呼んでいた、気がする。
それとも親しい女性を呼ぶ、本来、お姉さんという意味の「オンニ」だっただろうか。

 

 

ベビーシッターさんのこと Ⅱ  につづく

 

どらねこまりー ペンネーム。2 児のシングルマザー、DV サバイバー

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