どら猫マリーのDV回想録 その13
カルトな私 partⅠ
下宿で見かけるかぎり、どこからどう見ても普通の人間だったが、ほぼ全員に共通するのは、底抜けの明るさというか、無邪気さというか――そういうものがあった。一方で、これぞ「二世」という雰囲気を醸し出している人がいたが、それは意外にも「信仰の二世」といって、親の意向で幼いころから入信し、いわば、教会の文化の中で育った人だった。
大学にも、私のほかに「信仰二世」と呼ばれる学生がいた。私とは気が合う方だったが、「普通の家はお父さんが飲んで帰って来て玄関で酔って倒れてるんだよねぇ?」と本気で、「ダメなお父さん」のステレオタイプを信じているらしいので、丁寧に説明したことが、そういえばあった。
どうやら統一原理を中心軸にして特別な教育を受けるらしかった。
「信仰心のない母」の「信仰の二世」にして、ビデオセンターの出禁もくらった私には、そのような機会はなかったことになる。
カルトな私 part Ⅱ につづく