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難以言喻的香港生活所思 ―香港の現在、言うに言われぬ思い-

翻訳者からのメッセージ
エスター

香港には、最も酷い、第5波ロナ禍が爆発しました。香港本土での最初の感染確認から2年もたっており、香港は他の大都市にくらべて、感染拡大は遙かに遅いのです。その分、参考にできる事例はいくつもあり、政府も社会も、さまざまな対策を準備する十分な時間があるはずなのに、現実はそうなっていません。

医療体制は崩壊に近く、公共交通機関は大幅に減便、政府の情報は混乱するばかり、 「国際都市」香港のイメージにそぐわない醜態をつぎつぎにさらしています。(この文章が書かれた時点の集計で)第5波のコロナ禍で9000人以上が亡くなり、隔離施設の不足のせいで、半分以上の死者は老人ホームや障害者ホームの入居者です。

ここに至ってもまだ、香港政府の感染症対策は、中国本土の「ゼロコロナ」と諸外国の「withコロナ」との間で揺れており、判断基準をとっくに見失っています。しかもウイルスは何回も変異し、感染力は高まっています。日常生活委の多くを犠牲にしても、確実に感染を回避することはできません。食事の前に両手をアルコール除菌する人も、外から帰宅してすぐ着替える人も、もう少数派です。

自分や周りの人が感染することはもちろん嫌だけれど、心の底からわかっています――自分はもうすでに、一切のコロナ対策に心が動かなくなってしまっていると。

 

原文■ 譯者的話 Esther

在香港,最為嚴重的第五波疫情於第一宗本土個案出現超過兩年後才爆發,時間遠遠遲於其他地區的大城市。可以參考的例子比比皆是,政府也好社會也好,亦理應已經有足夠的時間準備各種方案,然而,現實卻並非如此。醫療系統近乎崩潰、公共交通大幅削班、政府資訊混亂不堪,與「國際大都會」形象不相乎的醜態相繼出現。最終,第五波疫情造成超過九千人死亡,由於隔離設施不足,過半死者是安老和特殊院舍的院友。

時至今日,政府的防疫政策在遵循祖國的「清零」與接軌外國的「共存」之間飄忽不定,早已不知道標準何在。加上在多次變種下,病毒的傳染性似乎越來越高。我們彷彿犧牲了許多日常生活,也確保不了與確診之間的距離。漸漸地,飯前以搓手液消毒雙手、回家後立即更衣的人變成少數。

固然不想自己或身邊的人染疫,但心底裡也清楚,自己亦已經對一切防疫措施都非常麻目了。

 

右に「同心抗疫」(一緒に疫病と戦おう)、左に「香港各界感謝中央政府援港抗疫醫療物資」(香港の各階層は中国政府からの防疫用医薬品の支援に感謝しています)と掲示されている。コロナの起源を考えると、皮肉だ。

照片是住宅大廈被圍封強檢時所攝。右邊的易拉架寫有「同心抗疫」,左邊則是「香港各界感謝中央政府援港抗疫醫療物資」。 想想新冠病毒源頭,就感到無比諷刺。撮影:Esther


Esther エスター 日本留学経験あり、香港在住

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