難以言喻的香港生活所思 ―香港の現在、言うに言われぬ思い-
番外編 2014~2019~2024年からの発信
小川善照 + トウィンクル・ンアン
進行 アーリック・リー
(つづき)
関心をもちつづけることが、力となる
小川 : 関心を持ち続けていく、っていうことが、実はやっぱり、いろんなことを動かしていくんだと思います。
去年の年末、ご存知の通り、周庭さんはカナダに亡命しました。なぜ私が香港に入国拒否されのか、ということ以上に謎なのが、なぜ香港警察は周庭さんを海外に出したのか、です。なぜ海外留学を許したのか。香港のメディアでは、〝周庭はとくに重要人物じゃないから国外に出られた〟とか〝周庭がみんなを裏切って亡命した〟とか、そういう言い方をしているんですれけど、どれも答えになっていない。香港のとある匿名サイトの評論を見て、私は納得したんです。それよると「どうして周庭を外に出したのか、それは日本の世論だ」と。
周庭さんが逮捕された後、日本の世論は大きく反応しました。その後、収監でも、裁判でも、そのたびにマスコミと世論が大騒ぎして、ツイッターでは「Free Agnes」がトレンドになったりしました。この先、香港で周庭さんに国家安全維持法違反の裁判を受けさせることになったら、もっと大きな騒ぎになる、そうしたら観光誘致ところじゃない、対中感情も悪くなる――そこで、いろんな事情を天秤にかけて、結局、彼女を国外に出した方が日本の世論がこれ以上騒がない、と判断したんじゃないのかと。そういう論考でした。
つまり、日本の世論、日本のみなさんの声が周庭さんを救った、その一つの力に確実になった、ということだと思います。
これからジミー・ライさん*の裁判も始まります。皆さん、いろんな人に香港のことを伝えてください。最初は小さな声でも、みなで大きくしていって、香港をいい方向に動かしていくことができるのではないかと思います。
* 黎智英、リンゴ日報創業者。国家安全維持法違反で拘留中。終身刑となる可能性もある。