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jig - いま・ここで 青木麻耶

Nomadとノマドと旅する百姓

わたしは今、車に住んでいる。
マイホームは2006年製のスバル・サンバーバン。別名「農道のポルシェ」とも呼ばれる、知る人ぞ知るスバルの名車だ。今年の2月末にこの車を購入した。何しろ「処分車両」という扱いだったので、買った当初から足回りのサビつきがひどく、特にタイヤの後部は押しただけでボロボロと崩れ落ちた。それでもエンジンはすこぶる良好で、ギアを入れる度、アクセルを踏み込む度にワクワクする車だ。

3月末に神奈川県藤野にある「廃材エコヴィレッジゆるゆる」*1(以下ゆるゆる)にて車中泊仕様に改装した。

ここゆるゆるは、万華鏡作家の傍島飛龍さんが自宅近くの廃工場を買い取り、何年もかけて廃材を集め、DIYで作り上げたコミュニティスペース。わたしも何度か工事を手伝いに行ったことがある。飛龍さんの世界観*2が随所に散りばめられた、カオスなのになんだか落ち着く不思議な空間だ。鹿や熊の剥製、チェーンソーの刃、パソコンのキーボード…あらゆるものが飛龍さんの手にかかればアートに昇華してしまう。現在は通い型の村民が500人近くいて、竹細工部、ジャンベ部、畑部などの部活ができたり、イベントやワークショップが開かれたりして常にいろんな人が出入りしている。

また、ゆるゆるから派生してできた「モバイルヴィレッジぼちぼち」というコミュニティも面白い。元々ゆるゆるで開かれたワークショップでモバイルハウスを造ったナルくん*3が、ゆるゆるの近くに土地を借りてそこを整備し、周囲に畑やサウナやコン
ポストトイレを作り、モバイルハウス(テント、ハンモック、車、ダンボールなどなんでも可)に住む人たちの拠点を作っている。

ぼちぼちメンバーは創設からわずか1年で100名を越し、日々オンラインで村づくりの様子が見られたり、必要な情報を共有したり、時にはイベントなどでリアルに集まったり、と活発なやりとりが行われている。

 

*1  廃材エコヴィレッジゆるゆる

*2  飛龍さんのインタビュー記事:「みんなでお金から自由になる。「廃材エコヴィレッジゆるゆる」傍嶋飛龍さんとの対話」(前編)2021.02.24,greenz.jp編集部

*3  ナルくんのインタビューはこちら :(ぐるなび みんなのごはん)2021-01-15
年間90万円で365日モバイルハウス生活。幸せの沸点を下げて暮らせるの?」

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