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ワリピニ通信 菊池木乃実

コロナの夜明け と どんでん返し

そんな流れの中で、偶然なのか、必然なのか、とても興味深いムーブメントに参加することになった。SEEDS という名のコミュニティーだ。(12

コミュニティーの目的は、Regenerative Currency System (環境再生型通貨)を広めること。「地球環境を再生する者に経済的な報酬が与えられるようにし、中央集権ではなく、市民参加型で、全ての市民が平等に投票権を持ち、意思決定に参加できること」である。コミュニティーは、暗号化通貨を使い、今までの経済システムとは全く違う、一部の者に富が集中することができないようなシステムで運営される。投票システムや意思決定システムも、一部のものに力が集中しないように、注意深く構築されている。

コミュニティーは、オンラインで運営されており、すでに100以上のNGOやグループが参加していて、それぞれの地域での活動をベースにした貢献度がパスポートと呼ばれるオンラインの財布に報酬として反映される仕組みなのだ。その貨幣の単位が、Seed (種)なのである。コロナ騒動が起こる2月、ネットで紹介されていたのを見たポールは興味を持ち、すぐにメンバーになった。私たちの活動を紹介すると、連携パートナーとして登録できるというので、Paul and Konomi’s Garden として登録した。

ポールは関わって行く中で、コミュニティーの憲法にも興味を持った。その憲法さえも、参加する市民によって、どんどん進化していくように作られているというので、「憲法について話し合う集会を開こう」と提案したところ、それが通って、先週、50名ほどが参加してオンライン憲法会議が開かれた。会議を主催したポールは報酬をもらい、参加者たちも、100 Seedsの報酬が与えられた。

全体のコミュニティーの進化のために貢献すればするほど報酬がもらえるし、評判も上がる。地球環境の再生のためにプロジェクトをやればやるほど、報酬がもらえ、評判も上がるのだ。

面白いのは、各自が持っている貨幣の量と、票が及ぼす影響力には、関係がないということだ。つまり、お金があれば、政治に多大な影響を及ぼすことができる現在のシステムとは、まったく違う。お金がある人でも、コミュニティーの評価が低ければ、意思決定に及ぼす影響力は低くなるようにシステムが設定されている。そして何より、地球の再生に貢献することが最優先。コミュニティーの市民になれるのは、地球の再生に貢献し、すでに市民になっている人たちからの推薦が必要なのだ。

まだまだ、SEEDSについては、私たちも勉強中で、知れば知るほど、奥が深い。けれども、今、私たちが危機に直面し、これまで、当たり前だとシステムがガラガラと音を立てて崩れていくのを目のあたりにして、SEEDSが作ろうとしている地球再生型・公平で平等な市民社会のモデルは、ポジティブな未来の一つの選択肢だと感じている。

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