南インド放浪記 その2
アーユル・ヴェーダの日々
そうこうしているうちに長かった3週間も終わりに近づき、ついに最後の施術、大バスティ(浣腸)を迎えた。600mlもの浣腸液を入れる。もっと辛いものかと思っていたら意外とそうでもなくて、期待していた宿便も出なくて少しがっかりしてしまった。
わたしはいつも即物的で目に見えるわかりやすい結果を求めてしまうけれど、欲しいものはそんなに簡単には手に入らないということなのだろう。期待しすぎないこと。今あるものに感謝すること。日々の習慣、生活、思考。まずはそこを少しずつ改善していこうと思った。
初日の散歩で訪れた場所が美しくて、もう一度そこに行ってみたくて、朝夕の30分だけ外に出られる時間、毎日のように試しては袋小路にハマってたどり着けなかったのだけれど、最終日の朝に、ようやくそこにたどり着いた。
結局はただひたすらまっすぐ進む、一番単純な道だった。変に勘ぐったり地図に頼ったりせずに、自分の直感を信じて進めというメッセージだと思った。
病院に戻り、最後のマッサージを受け、みんなに挨拶がてらお菓子を配ったり写真を撮ったりして、ついに出発の時間。病院のドクターやスタッフ、そして他の患者さんたちまでがぞろぞろ出てきてみんなで見送ってくれた。ウーシャやジャヤの顔を見たら思わず泣きそうになってしまったけど、ジャヤの言葉を思い出して今度はグッと堪え、笑顔で別れた。

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2020年10月2日(金)
青木麻耶さんのインド旅をめぐるオンライントーク
焚き火のある座談会 vol.11 : 終了しました