ジグ日記 | 出版舎ジグ

9月になればジグは その1

9月になればジグは その1

誰にとってもそうだったと思うけれど、この3月から9月は、時間の流れ方がおかしかった。やることにしていたことを、たんたんとやっていたつもりでも、曜日感覚もくるったし、ものの優先順位がぐらついたため、ある作業は急にスピードが上がり、あることについてはいつまで経っても進捗がなかったりした。

4月以降は、緊急小口資金貸付とか、小学校休業等対応助成金とか、住居確保給付金とか休業支援金・給付金とか、雇用調整助成金とか持続化給付金とか――とにかくお金の流れがとまれば息の根が止まるという一定部分に、ECMOのように、つぎつぎ機能特化した装置が繋がれていくのを、厚労省サイトや通達文書を毎日検索して、あわてて追いかけた。(官僚や議員や行政やらの、政策対応のフィードバックをこんなにハラハラしながら凝視したのは、福島第一原発事故以来だ)。

なんのためかというと、出版舎ジグ運転資金調達のためではなく。
(もらおうと思えばもらえたと思うが、とてもその気力はわかなかった)。
この春から少しずつはじめた相談業務見習い。

勉強しておいてよかった基礎知識はあったものの、とにかく人びとそれぞれのリアルの、あまりにもあまりに多様な困難、それをとにかくなんとかする人びとのリアル、両方に大汗をかく。社会福祉士って資格の中身は、ほんと無力で、持ち場があってこそ少し役立つこともあるかも、程度のもの。

そろばん3級、くらいだろうか。このへんにこの情報はあるはず、ってことは、このへんのココが動いているはず、こっちは行けそうで、でもここまでは無理かも、というようなことを脳内ではじきながら、なんとかなりそうなことを、なんとかしましょうね、とリアルな相手とやりとりできなくては。いや、それだけでは足りないですけれどね、アマビエ様

出版舎ジグにくっつけている、「個の発信 孤からの発信」というキャッチフレーズは、こういうミクロで多様でまったなしのドラマと繋がないと!と思っているけれど、本の出版は「必要即応」とか「不要不急」とは基本的にちがうテンポとグルーヴで進むのだ。

9月に出るのは、もうすこし違うテンポで準備してきた2冊です。
(つづく)

 

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