モトムさんの旅を記録して
(つづき)
「みんな一緒に」より、その子にあった「個別計画」に基づく学習スピードやプログラム、それが、現在の文科省、学校教育法の方針。ふと気になって、広島県や江田島市ではインクルーシブ教育をどう位置づけているのか、ネット上で調べてみた。
以下、お役所文書の表現がつづくことをお許し願いたい(公教育を握ってるのが役所だからしかたない)。
令和5年度までの7年間の「第2次江田島市障害者計画」(2018年4月)、その「基本計画」の中に、インクルーシブという言葉がすぐ見つかる。以下、一部引用。
<国においては,障害のある子どもと障害のない子どもが,できるだけ同じ場で共に学ぶことを目指す「インクルーシブ教育」の理念に基づいて,その構築のための取組が進められています。本市においても,このような動向を踏まえた取組の充実が必要です。>
江田島市として、インクルーシブを掲げている。「できるだけ同じ場で共に学ぶ」、と。
同資料は、江田島の住民意識調査の結果も載せている。
<「江田島市福祉に関するアンケート調査では,地域の人の障害のある人に対する理解度を尋ねたところ,3割以上が「理解している」と回答しています。>
――3割って、多いのか、少ないのか、かなり微妙な数字だ。
広島県教育委員会の「障害のある子供と保護者のための教育支援ガイドブック」(令和4年4月・広島県教育委員会)の冒頭にも、インクルーシブの言葉がある。以下の通り。
<本県では、インクルーシブ教育システム構築のために不可欠である特別支援教育をそれぞれの学びの場で充実させ、子供たちに生きる力を身に付けることを目指します。>
広島県「障害のある人びとの福祉」のなかの「保育及び学校教育 (PDFファイル)」のQ&Aには、こんな問答も。
Q8:
障害のある子供の就学先を決定するのは誰ですか。
A8:
お住まいの市町の教育委員会が保護者と合意形成をした上で就学先を決定します。
それから
Q10:
障害者基本法第 16条には「可能な限り障害者である児童及び生徒が障害者でない児童及び生徒と共に教育を受けられるよう配慮しつつ」とあります。保護者が希望すれば、どんな障害があっても小・中学校等の通常の学級に在籍することができるのですか。A10:
障害者基本法で教育について規定する目的は、障害のある子供が「その年齢及び能力に応じ、かつ、その特性を踏まえた十分な教育を受けられるようにする」ことです。
そして、A10つづき。
そのために、「可能な限り障害者である児童及び生徒が障害者でない児童及び生徒と共に教育を受けられるよう配慮」することも追求されるのであり、この目的と手段を取り違えないようにすることが大切です。
障害のある子供が「授業内容が分かり、学習活動に参加している実感・達成感をもちながら、充実した時間を過ごしつつ生きる力を身に付けていけるかどうか」という視点で検討した上で、通常の学級ではできる限りの配慮を行ったとしても障害のある子供に十分な教育が提供できないと、市町教育委員会が判断することもあります。
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