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パラグアイ日記  青木麻耶 その1

ニャンドゥティの町、イタグア

奥からクリスティーナさんのお母さんのシンドゥルファさんも出て来た。シンドゥル ファさんは国からも表彰されるほどの腕の持ち主で、80 歳を超えた今も現役のニャン ドゥティ作家。

ニャン ドゥティの写真
シンドゥルファさんによる、ミシン糸のような細い糸で作られた繊細な作品。

ミシン糸のような細い糸を使って繊細かつ洗練されたニャンドゥティを作られる。あまりにも美しい手仕事。ニャンドゥティを俄かにではあるがはじめたからこそ、どれだけの手間ひまがかけられているのかがよくわかる。いくつか見せていただくつもりが、あれもほしい、これもほしいとなって気づけばたくさん買っていた。

私たちは日本で竹細工をしているんです、と言っていくつか竹製品を見せた。 小さな四海波を見せたら、シンドゥルファさんが「キャッキャッキャッ」とまるで少女のように笑った。その様子があまりにもかわいらしくて、そのかごをプレゼントし たら、嬉しそうにしてくれた。

クリスティーナさんと お母さんのシンドゥルファさんの写真
クリスティーナさん(左)のお宅で(筆者中央)。
お母さんのシンドゥルファさんに自作の竹細工をプレゼント。

クリスティーナさんは用事があるというので、娘のマリアさんが相手をしてくれた。「あなたもやるの?」と聞くと、「わたしは嫌いよ。だって大変な仕事だもの」とマリアさん。
実際にお母さんやおばあちゃんがやっているのを目の当たりにしているからこそ、その労苦もわかるのだろう。そうは言ってもこれだけ美しい技術が途絶えてしまうのは なんとももったいない気がする。

わたしに教えてくれている先生も言っていたが、ニャンドゥティはこちらの若者にはぜんぜん人気がないらしく、やっているのはおばあちゃんばかり。どこの国でもそうだが、こうした伝統工芸だけで食べて行くのは難しいし、何よりも手間暇がかかる地味な仕事をやりたがる若者は少ないのだ。

[画像出典]

  • 写真はいずれも筆者撮影/提供

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