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『ひらけ!モトム』によせて

2023年5月、広島~江田島 世田谷に暮らす団塊世代の重度身体障害者・上田さんの旅

その4

モトム、故郷に帰る

江田島にて 母校訪問

―モトムさんの後日コメント―

なぜ僕が広島の母校に『ひらけ!モトム』を寄贈したいと思うようになったのか。

一つは、今の僕の生活の基盤を作ってくれた時代の一番大きな部分であった中町小学校に、お礼も兼ねて終活の事業としてしたかったことです。

そしてもう一つが、改めて今の母校がどう障害児と向き合っているかということをこの目で確かめたかったことでした。

だいたい予想はしていたのですが、残念ながら現代の障害児教育のあり方を踏襲していました。

あの場では、できる限り穏やかには話していましたが、怒りというよりは残念な気持ちでいっぱいでした。

ただ、後日、上本校長からいただいた感想文の中に、母校の能美中学校の校長と江田島市教育委員会に『ひらけ!モトム』を渡してくれたということになったようなので、校長自身が僕の気持ちを理解してくれたかと一安心しています。

できれば生徒達の前で語らせてもらえたら良かったという思いはあります。

―【補足】モトムさんは、参考記事リンク付きで以下のコメントもくれた―

統合教育というか、インクルーシブ教育の日本のあり方を、国連の方から勧告を受けたことについて、僕の経験からして60年経っても変わってないことに対して、腹立たしい思いを抱いています。

(僕は)「障害児を普通学校へ全国連絡会議」のメンバーではありませんが、メンバーの知り合いが多いです。

文部省の考え方を全て受け入れていることに対して、僕の存在が何だったのかを考えさせられました。

(上田 要)

<参考記事リンク>
国連が日本に「特別支援教育の中止」を勧告  欧米は障害児と健常児がともに学ぶインクルーシブ教育が浸透 日本の現状と対応は? 城島建治(2022年9月26日付 東京新聞朝刊)

―記事概略―

「国連の障害者権利委員会は今月、障害者権利条約に基づき、日本政府に対して障害児を分離した特別支援教育の中止などを求める勧告を発表した。スイスで行われた審査の段階では、日本の市民団体が直接、障害児が普通学級への就学を拒否されるケースがあると権利委に訴えた。国連は障害児と健常児が共に学ぶ「インクルーシブ教育」を掲げ、欧米などで浸透しているが、日本では十分に進んでいない。」

記事の詳細はタイトルのリンク先(東京新聞web)を参照

 

 

上田 要 (モトムさん) 『ひらけ!モトム』の主人公。江田島市立中町小学校卒業生(1961年卒)

上本真理校長 広島県江田島市立中町小学校校長

津留由人 (ツルさん) 上田さんの介助者

岩下紘己  (イワシタさん) 『ひらけ!モトム』著者。上田さんの介助アルバイトをしながら大学卒論として執筆

 

 

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