出版舎ジグ
jig-web 連載

アーユル・ヴェーダの日々ヘッダー画像

南インド放浪記 青木麻耶 その2

アーユル・ヴェーダの日々

関連イベント 10月2日(金) 

青木麻耶さんのインド旅をめぐるオンライントーク
焚き火のある座談会 vol.11

南インド放浪記・第2回は、5000年以上の歴史を持つと言われるインド・スリランカ発祥、世界最古の伝統医学・アーユルヴェーダについて。

アーユルヴェーダはサンスクリット語でAyuh(生命・寿命)Veda(科学・知識)の意。西洋医学のように病気の症状を取り除くのではなく、より健康に長寿や若さを保つことを目的とした予防医学。せっかくインドに来たからには、脈々と受け継がれてきたその叡智を垣間見たいと機会を伺っていた。

今回はじめて本場のアーユルヴェーダに触れたのは、タミル・ナドゥ州のポンディチェリーという街の郊外にある「オーロヴィル」を訪れたときのこと。
ここは1968年にある夫婦によって創設された世界最大のエコビレッジ。当時は二度の大戦を経て冷戦の真っ只中、第三次世界大戦が起こるのではと言われていた頃。そんな時だからこそ、国も人種も宗教も関係なく調和した場を作ろうと世界中から人々が集まって造られた場所。

その象徴として150カ国以上の人たちがそれぞれ母国の土を一握りずつ持ち寄って、ハスの花の蕾のモニュメントの中に入れた。「いつかその蕾が花開くことを願っているけれど、残念ながら今も世界中で争いは絶えない」と創設時からここに住んでいる方が言っていたのが印象的だった。

マトリマンドリル
オーロヴィルの象徴とも言える黄金のマトリマンドリル。中で瞑想をする。

世界最大というだけあって、敷地内には各国や地域のパビリオン、全部で26の有機農場や20以上の学校、無数のレストラン、カフェ、宿…ここの住民すら全貌を把握できないほど大きい。そして連日連夜、至る所でイベントや音楽会、ヨガなどのワークショップが開催されている。

街の中心にあるビジターセンターの前には掲示板があって、その中のあるチラシに目が止まった。

「アーユルヴェーダーによる栄養カウンセリング・料理教室やってます」

早速チラシの掲載主であったスーザンに連絡を取り、数日後にカウンセリングを受けることになった。

スーザンはアメリカ人だが、インド人の夫と結婚し、義母から日常的に家庭の料理や医学を学び、その背景にあるアーユルヴェーダの叡智に魅せられて本格的に勉強をはじめたそう。

はじめにドーシャ診断を行った。

アーユルヴェーダでは万物は5つの要素(空、風、火、水、地)からできていて、その5つの要素が組み合わさった3つの性質・ドーシャ(空+風=ヴァータ/火+水=ピッタ/地+水=カパ)をもつとされる。食生活や生活習慣を変えたり、薬草や施術の力を借りたりしてこの3つがバランスのよい状態に近づけることで、症状そのものだけでなく、その根本原因をも取り除くことができる。

設問にあてはまるかどうかを1から5まで点数をつけていき、合計点の一番多いものが優勢なドーシャとなる。ヴァータの設問が「ひとつのところに落ち着かない」「はじめたものが終わらないまま次に進む」など、え、これわたしのことですか?というくらい当てはまっていて思わず笑ってしまった。

長年悩んできた便秘や消化不良もヴァータの特性らしい。なるべく消化にいいもの(炭水化物)を食べること。そして生野菜や、キャベツ、ブロッコリーなどは消化に悪いのでなるべく避けること。これまで炭水化物を減らし、サラダを好んで食べていたわたしには衝撃のアドバイスだった。

最後に消化を助けるスパイス(フェンネル、コリアンダー、クミン)を煮出したお茶の作り方も教えてもらった。お米と野菜中心でスパイスを多用する南インド料理は、まさにわたしの体質にぴったりなのだそうだ。

旅をするとヴァータ気質が憎悪するそうで、「なるべくグラウンディングできるように、旅の間もモーニングルーティンを決めておくといいわね」と言われた。「難しいことじゃなくていいのよ。ハードルはできるだけ下げてね。続けることが大事だから」とスーザン。毎朝白湯を飲むこと、そして3分の朝ヨガをすることにした。果たして3日坊主すらできないわたしにどれだけ続けられるのか。

(ちなみにドーシャ診断はインターネットで検索すると簡単にできるので、興味のある方はぜひお試しを。)

ドーシャ診断
体質によって摂るべき食べ物は大きく異なる。

【南インド放浪記】 連載一覧

↑

新刊のお知らせ