モトム、故郷に帰る

『ひらけ！モトム』によせて
2023年5月、広島～江田島　世田谷に暮らす団塊世代の重度身体障害者・上田さんの旅
その0

出発編

5月6日(土)　世田谷：快晴やや強風　広島：雨　

広島は予想通り雨。
雷や稲光が轟いていなかったことは恵とせねばならない。

タクシー乗り場には、大丈夫、モトムさんが事前に電話予約していた福祉車両のタクシーが待っているはず。新幹線到着時刻の変更も、伝えてある。

コンコースをぐるっと、少々ぬれながら探し、観光客・里帰り客の長蛇の列とは離れた場所に、地味めの白いミニバンがいた。

車体に「あさひ」とある、あさひタクシーさん。ご挨拶ののち、バックドアのスロープから、車椅子のモトムさんが乗り込む。

残る3人は、ひとりが助手席、ひとりはモトムさんの車椅子と並ぶ2列目に。
もうひとりは、ええと。備品の車椅子に乗ってもらって、3列目に。
そういうことで、ツルさんも車椅子にすわり、後部ドアから乗車。

こうして、雨の中、広島駅からリーガロイヤルホテル広島に、無事に到着しました。

－つづく－

モトム＝上田要うえだもとむ『ひらけ！モトム』の主人公、生活史の語り手。1948年広島県（現・江田島市）生まれ。78年より東京都世田谷区に暮らし、86年より24時間介助。自立生活実践中。