難以言喻的香港生活所思 ―香港の現在、言うに言われぬ思い-
何桂藍、Facebook からの発信
(日本語訳) 阿古智子、エスター
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分散化は、かつて香港では見られなかった
政治的勢いを解き放ち・・・
6.分散化は、かつて香港では見られなかった政治的勢いを解き放ち、これまで伝統的な組織構造によって制約されていたこの都市の刺激的な多様性をあらわにした。批判的で激しい政治討論に慣れている香港の人々は、自分たちの行動の意義について悩みながらも、そうした躊躇を克服し、新しい創造的な方法で闘争を始めることができた。彼らはつながりを改革し、より直接的かつ効率的で、包括的な活動ネットワークを作った。
7.社会制度が次々と崩壊したとき、私たちは恐怖を乗り越えて民主主義を再生させ、それぞれの真の意味での市民権を、身をもって示した。さまざまな制度のレベルにおいて民主主義が否定されるなかで、私たちはゼロのどん底から、民主主義を積み上げた。
8.自分の周囲の人々も自分自身も、誰かの盲目的追随者ではなく、何のために闘っているのかを明確に理解し、自らの要求に責任を持っているという信念が堅固である場合にのみ、有意義な会話が可能だ。決定はそれぞれ独自に行うが、集団のために行動する。
9. この運動の原動力となっているのは、より良い未来への希望ではない。超大国と対峙する700万人の都市では希望というものが常に乏しいからだ。しかし、たとえ未来に対する私たちのビジョンが異なっていても、私たちはお互いを信頼し、最善を尽くすためにお互いを頼りにする。私たちは信頼し、行動し、創造することができる。違いを乗り越えて団結し、皆が一つになる。
10. このような集団が、人々の意見を聞き入れるよう、問題を認識するよう、政権に要求するのは自然なことだった。政権が締め付けを強化し、人々の抗議する権利を奪ったとき、私たちは選挙という別の道に目を向けた。
状況は悲惨であるが、詳細を見ると滑稽でさえある
11. 私は香港で行われた前回の自由で公正な選挙*5に出馬した。そのため私は、初めてコモンローの裁判所で審理されたソビエト(?)/中国共産党スタイルの国家政権転覆のケースで起訴された。私は、61万人の香港人が参加した政治的表現を守るために無罪を主張した。香港政府はその事実を歪曲し、47人 は外国人に洗脳され不誠実な手先の陰謀に貶められたとし、終身刑をも科そうとしている。
12. 状況は悲惨であるが、詳細を見ると滑稽でさえある。検察側は、被告の許し難い邪悪な破壊行為は、議会の多数派に年間予算の拒否権を行使させることを狙ったものだと説明している。このような論理に従えば、世界中の民主主義国は4年から6年ごとに破壊工作に見舞われていることになる。ジョージ・オーウェルの『1984』のような、しかし現実には、民主化の実現、あるいは民主化の要求さえも、国家権力の転覆に等しいということになる。まったく理にかなっている!
13. 北京政府が分離独立や外国勢力との共謀といったレトリックで我々に罪を科そうとしているのは、我々が操作された選挙に付き合うことに満足しなかったためであろう。我々は党派分裂を乗り越えるために組織化し、団結し、突破を試みた。我々は政府に責任を負わせるために実際の権力に手を伸ばした。基本法の下で、それは国民の権利として定められていたが、北京は決してその実現を許さなかった。
14. 我々は、このような構造の下で民主主義は可能になるのだろうかという疑問を抱き、政権に立ち向かう勇気をもった。その結果、社会のあらゆる面で徹底的な弾圧を受けることになった。
15. あらゆる分野の民主的な政治家や活動家を起訴したこのケースによって、香港は絶望的な転換点を迎えたとみなされるようになった。人々は恐怖で沈黙し、香港の民主主義への希望を捨てざるを得なかった。
*補足注*
*5 「前回の自由で公正な選挙」「61万人の香港人が参加した政治的表現」:2020年7月11~12日の立法会議員選の予備選挙。民主派の共倒れを防ぎ候補者を絞る目的で呼びかけられ、61万人が投票した。何桂藍を含む51人の立候補者のうち47 人が国安法の国家政権転覆共謀罪に問われ、そのうち45人が有罪判決となった。
