どら猫マリーのDV回想録 その0
ただいま人生再生中
いかがお過ごしですか。
6月は父の日があるので、色々、胸がえぐれましたね……
エリーちゃんね、
パパとかオトウサンとかいないから、おじいちゃん描いたの
と、はげてやたら目のでかい人物にシールと「ありがとう」の文字で娘がプレゼントしてくれたその次の日。
子連れで水族館に行くとアシカショーの対角線に何と中高の同級生が。
そう言えば、この人とは手紙のやり取りを何度かし、グループでではあったけれど、一度花火を観にいったのだっけ。
それなりの経済力、何かと条件の揃った子どもが集う私立の中高一貫高で、我々は多感な時期を共に過ごしていたのでした。
向こうも気が付いたようでした。隣に座って、夢中でおしゃべりする女性があまりに若く、驚きました。シフォンスカートと栗毛、明るい色のチークが似合う人でした。
何てベタな展開。
わたしはその瞬間、子どもたちを呼び止めて逃げました。
わたしは彼に「階級」のようなものを感じ、自分の人生を恥ずかしく思いました。
日焼けして、汗だくで、服のサイズは当時より2サイズくらい大きくなった私。
子どもを片手で抱けばバッグが手に食い込むのは分かっていましたが、急いでその場を去りました。このバック誰も持ってくれないよねー。
彼から逃げた、というよりは、時として襲う、かつての夫からの暴言から逃げました。
シフォンスカートをスイッチに、私をおとしめ、はずかしめ、追い詰めた言葉が一気に思い出されたのです。性格、能力、容姿、暴言は多岐に渡りました。
そんなしおらしい性格ではないでしょう。あなたはやられっぱなしだった?
「やれるものならやってみろ」とあの男があまりに虚勢をはるから、入れたばかりのコーヒーを「どうぞ」と一言、ほんとにぶっかけて涙目にさせたこともあったでしょう?
今なら彼の暴言ボキャブラリーにトロフィーをあげられます。子育て中のただのおばさんという日常の事物に、特別な視点を与えた力量は称賛に値します。
やっと心の声が聞こえるようになって、改めて考えています。
脱出したのだろうか。脱出できたのだろうか。過去なのか現在なのか。
こゆい週末でした。それにしても、この私も「父の日」や運動会の男手にへこむんですね。時間が経つと回復と同時に「正常」な感覚も戻ってくるので始末が悪いです。
今は寂しさを受容することにもてあましております。
これからが本番ですね。
どら猫マリーのDV回想録――ただいま人間再生中。
これがリアルな私の日常です。
DVのルポを見つけたので読んでいます。うなされるほど共感する部分と、型にはめられたような違和感。制作者側の正義感が鼻につきます。
それにしても若すぎる女の子だったなー。会社の新人か、はたまた教え子か。
幸せでいてくださいね。人間が崩壊するのなんてあっという間ですからね……
ふっふっふ
にゃおー。