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難以言喻的香港生活所思 ―香港の現在、言うに言われぬ思い-

翻訳者からのメッセージ
エスター

私にとって、このプロジェクトに関わることは、罪の償いの一種なのです。

香港は狭い土地ですから、裁判を背負ったり、海外に亡命したり、そして実刑に服している人たちのなかに、知り合いも少なくありません。直接繋がってなくても、実は友だちの友だちだった、ということが少なくないのです。私から見ると、彼らは遠い存在ではありません。

リンゴ日報の最終日の朝刊
6月24日、湾仔(ワンチャイ)の香港警察本部前にて筆者撮影

彼らと同じように、自分が生まれ育った香港に深い感情を持ち、彼らは最前線に立ったのに、私は全力で戦いませんでした。最前線に立たなかった人びとはそれぞれの事情があり、私もそうだけれど、それを言い訳にするつもりはありません。この文章を書いている今、私は恥ずかしながら、刑務所の外の空気を吸っています。これは誰も否定できない事実です。香港はもう自由と言えなくなっても、今の私の生活は、彼らの生活よりずいぶん楽です。

最前線にいる人たちに比べれば、私の努力はささやかなものでしかありませんが、香港の若者の思いを日本の皆さんに届けられればと思います。

数年前、私は母校の先輩や後輩たちと、小さなNPOを立ち上げました。生徒たちが人生の早い段階に、幅広く持続的な人脈をつくることができ、社会や世界と繋がるようにしています。今回は特に、中学生・高校生をはじめ、私自身より若い人たちに投稿をよびかけて、言葉を通じて読者と交流できるようにしました。

この若者たちも私も、これからさらに悪くなっていく未来に直面しなくてはなりませんが、彼らの人生には、私よりもさらに長い道のりがあります。日本の皆さんが、彼らの考えや思いに関心を持ち、見守って下されば幸いです。

■原文■ 譯者的話

參與這個項目的籌備工作,於我而言是一種贖罪。

香港是一個彈丸之地,那些官司纏身、流亡海外,甚至已經飽受牢獄之苦的人,不少都是我所認識的。即使沒有直接認識的那些,也大多是某朋友的朋友,對我來說,都不是很遙遠的人。

同樣地對自己出生長大的香港有著深厚感情,他們選擇了走上前線,我卻未有盡全力抗爭。沒有站到最前的人總有各種原因,我也亦然,然而我並不打算為自己開脫。反正此時此刻,我的確苟且地呼吸著牆外的空氣,這是鐵一般的事實。縱然香港已經不再自由,但我現時所過的生活,實在要比他們輕鬆得多。

所以,還有用得上我的地方的話,就只願這些微薄的努力,能夠讓香港青年的聲音傳達至日本的各位。

數年前,我與幾個母校的師兄弟姊妹創立了一個非牟利組織,希望協助在學的青少年盡早建立廣闊而長久的人際網絡,從而與社會、與世界有更多交流。這次我亦特意向他們以及一些比我年輕的人邀稿,讓他們在亂世中以文字與讀者相會。

這些青年和我一樣,很可能需要面對一個更惡劣的未來,但他們要走的路,卻比我更漫長。但願日本的各位繼續關心他們的所思所想,守望他們。


プロジェクトによせて(阿古智子) につづく

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