難以言喻的香港生活所思 ―香港の現在、言うに言われぬ思い-
その4 ANIBOU
(日本国籍、日本在住、大学2年、20歲)
(つづき)
「私たち」を「自由民主主義を普遍的価値と見做す人々」と定義してみてはどうかと、僕は提案した。そうすることで、狭隘なナショナリズムから逃れ、真摯な批判が可能になるのではないか、と。僕はその上で、各自のアイデンティティを乗せていければよいと思っている。「自由民主主義を普遍的価値と見做す香港人」という風に。「自由民主主義を普遍的価値と見做す日本人」という風に。
前述したように、「自由民主主義を普遍的価値と見做す人々」は本質的に多様である。そして、一人一人の固有の体験が——僕の苦しい経験が、あなたの感動的な経験が——、その人なりの自由民主主義の支持を支えているからだ。
僕は「自由民主主義を普遍的価値と見做す日本人」でありたい。
この立場から、どんなに微力であっても、香港のことについて声を上げつづけたい--ずっとそう思いながら、僕はこの拙い文章を書いていたのだ。
寄稿:ANIBOU ドラマとアニメと中華料理をこよなく愛する二十歳。
デモの風景。「香港加油」のコールの中で(小川善照) につづく